2018年11月28日水曜日

2018年11月28日(水)

手紙を読んでくれるあなたへ

私には茨城県つくば市に4年生の男の子と年長組の女の子の孫がおり、毎年11月の連休には家族で遊びに来て、サツマイモを掘り、焼きイモづくりをしていましたが、今年は用事ができて来られないので、今日は一人でイモ掘りをしました。
畑には里イモ、ヤーコン、大根も赤・白・青等5種類、大・小のカブ、ホウレン草、キャベツ、白菜等がそろそろ収穫できる様になっており、春用のエンドウ、ソラ豆、玉ネギ、ニンニクも植えました。
私の集落には8世帯ありましたが、大震災で高台にある我家だけが残り、今は妻と二人で住んでいますので、野菜の多くは友達にやり、漁業をしている人達からは魚や海苔、カキ等をいただいたりで半自給自足的生活です。
果物も桃やリンゴ、すもも、プルーン、ブルーベリーやブラックベリー、今はユズが色づき、甘柿も食べられる様になったのですが、多くはカラスやハクビシンに取られてしまいます。
「まあ、しかたないか」ですね。
明日からも、また草刈り、草取りです。でも楽しい毎日を過ごしています。

【筆名:いなかっぺ大将 年齢:68歳 都道府県:宮城】

2018年11月21日水曜日

2018年11月21日(水)

こんにちは。そして多分、初めまして。あんなに暑かった夏が終わり、次の季節がやってきています。
わたしは今、アメリカにいますが、誰の元へ届くかわからない手紙をどうして書こうと思ったのか、考えています。
どうして「鮫ヶ浦水曜日郵便局」のウェブサイトを見つけたとき、当然のように手紙を書くことを決めていたのか。
多分ずっと、誰かに受け取ってほしい手紙が心の中にあったのだと思います。でもそれは、誰に宛てたらよいのかわからない手紙だし、現実には誰にも書けない手紙です。わたしが書きたかったことは、32年の人生で一度だけ出会った恋のことです。

25歳で出会って、3回目のデートで告白を受け取った帰り道は、多分浮かれていたのでしょう。2人でうっかり反対方向の特急電車に乗ってしまって大慌てをしました。それまで誰にも言えなかったことや共有できなかった人生の出来事、気持ちをその人とシェアしました。どこへ出かけても、どれだけ一緒にいても楽しくて、ホッとしていられる一番の友人でもありました。こんな人がいたなんて。出会えたなんて。それまで1人だった時間に彼がいて、彼が1人だった時間に私がいる、彼とわたし“2人”でいることの幸せに救われました。

だけど、どこかで微かに気づいていました。彼の名前がいつまでも口に馴染まないこと。心の底から悲しいことは打ち明けられないこと。2人の将来を相談しながらも、大学院留学への憧れが膨らんでいたこと。わたしがもっとがんばれたら良かったのかもしれません。5年が経つうちに、その微かなことがどんどん確かになって、わたしは深呼吸ができなくなっていました。予感が現実になる少し前に、髪を30cm切りました。肩が軽くなって、心が、自分を好きでいたい、と鳴りました。

帰り道、わたしは自分を選ぶ自分を受け入れたのかもしれません。
その時わたしは30歳。彼は言いました。「何歳だと思っているの。」
母は泣いて、父は言いました。「またいい人に会えるといいね。」

出会わないだろう、と思いました。わたしは、彼との“2人”を手放したのです。それでも、やっと息を深く吸い込めて、“あぁ、良かった。”と思いました。同時に、この先の“1人”を考えると胸が疼くのは、彼がかけがえのない時間をくれていたことの何よりの証拠です。ありがとう、は伝えたけれど、2年経ったいま、やっぱりもう一度、ありがとう、を言いたいのです。

あの頃に戻りたいとは思いません。だけど、素敵な時間をありがとう。お元気で。お幸せに。わたしのことをすっかり忘れてくれていますように。

読んでくださっているあなたがどうか、1人ぼっちではありませんように。もしも、1人ぼっちでも、わたしが幸せなように、どうかあなたも幸せでありますように。願いを込めます。
受け取って下さって、ありがとう。

【筆名:まよなか 年齢:32歳 都道府県:アメリカ】

2018年11月14日水曜日

2018年11月14日(水)

今朝はとても清々しく、幸せな気持ちで起きました。
昨日は、私の47歳の誕生日。
この歳になると、誕生日だからといって胸が高まるわけでもなく、普通の日と何ら変わらないわけで。
それが、ふいに、他県の大学に通っている長男が帰って来るというので駅まで迎えに行くと、
「今日、誕生日だよね。」って花束が。えっ... んっ... おっ... あまりの驚きに言葉が出てこず(笑)
こんな粋な演出をする息子に成長したなんて。うーん、幸せ。幸せすぎる。
そんな嬉しい出来事があった夜。いつもより早く高校から帰って来た次男。
なになに、今日は早い、どうした...!?
「今日、誕生日でしょ。」と、少ないお小遣いの中からケーキを2つも。それも私の好みのものを。
普段は些細な事ですれ違う事もあるけど、ちゃんと考えてくれてるようで。
ふたりの息子から、ふいに幸せをもらって、単身赴任の主人からは、「週末、一緒に祝おうね。」と。幸せ。
誰かがこんな自分を気に掛けてくれる。幸せなこと。
今、幸せで穏やかな気持ちが胸いっぱいに広がっています。

幸せは伝染するらしいです。

受け取ったあなたにも幸せが届きますように。

【筆名:あおは 年齢:47歳 都道府県:宮城】

2018年11月7日水曜日

2018年11月7日(水)

この手紙を読んで下さっている見知らぬ誰か様へ。
こんにちは。今日は水曜日、朝4時、静まりかえり秋の虫の音だけが聴こえます。昨日は東日本大震災から7年半の日でした。そうなると息子は7年7ヶ月になるなあと思いました。
あの日、里帰りしている内陸にある家、1ヶ月になる息子と2人で過ごしていた時、地震が起きました。津波は来ないものの家にあるものがどんどん倒れてきました。コタツの下に息子と2人でもぐっていた時のことを今でも鮮明に思い出します。
地震が収まった数分後、地元のお友達のお母さんが車で助けに来てくれ、私の両親が仕事でもどれなくて不安だろうからと2日間位泊めてくれました。
あの時思ったのは人々の優しさでした。いとこの学生は息子のオムツの為何時間も薬局に並んでくれたり、授乳中だからと食糧が少ない中親せきがオムスビにぎってくれたり、人々の優しさと強さはすごいなとあの時感じました。
あの時1ヶ月のホヤホヤ赤ちゃんも今は2年生。とても頼もしいです。息子たちにも優しさと強さのある人になってもらいたいです。私もあの時みなさんからいただいた優しさを他の人へお返ししていきたいです。
そんな色々なことを思ったり、思い出す水曜日でした。
最近は朝晩すずしくなってきました。
読んで下さった方、お体に気をつけてお過ごし下さい。

【筆名:ミントグリーン 年齢:42歳 都道府県:宮城】

2018年10月31日水曜日

2018年10月31日(水)

この手紙を受け取った人にとって、9月5日はどんな水曜日だったでしょうか。
私にとっては、他の日とは違う、少し特別な一日でした。
会社の繁忙期が過ぎ、仕事も落ちついてきていたので、9月6日、7日は事前に有給休暇の申請をしていました。
そのためか、水曜日は仕事中も半分お休みモードで、「久しぶりの長い休みだから、どこか旅行でもしに行こうかな」などと呑気なことを考えながら仕事を終え、家路についたのでした。
そんな矢先、実家の母から「お父さんが倒れた」という連絡がありました。そんなことがそろそろあってもおかしくない年齢なので、青天のへきれきは言いすぎかもしれませんが、私にはそれくらいの衝撃でした。
「結婚」「介護」などの現実的な話題は、気楽な独身生活を続けているとまだ先のことのように思えて無意識に避けてきたのですが、急に現実感を帯びてきたような気がして、少し暗い気持ちになりました。
でも、今までを振り返ってみると、成人して以降は両親との交流もあまりなく、自分中心の生活をしてきて親孝行の一つもしていないことに気がつきました。これは神様が私にくれた(ひょっとすると最後の)親孝行のチャンスなんだと前向きに捉え、とりあえず実家に顔を出して、今後のことも含めいろいろ話したいと思いました。
そして、父の体調が良くなったら、一緒に家族旅行に行くというのも悪くないかなと思いました。
長くなりましたが、私にとって9月5日はそんな水曜日でした。

【筆名:みや 年齢:28歳 都道府県:愛知】

2018年10月24日水曜日

2018年10月24日(水)

誰かさんへ

私は小さな田舎町に住む20歳です。来年の1月に成人式があります。
本当に田舎なので、私の住む地区の小学校は全校でも80人いません。
私の学年は15人でした。たったこれだけの人数なので6年間同じクラスです。
中学もみんな同じでした。たとえ嫌でも最低9年間は同じ場所で共に成長してきた15人。
その中でも1人だけ、幼稚園に入る前からの付き合いの人がいました。S君です。
S君と私は互いに3つ上の兄がいて、兄同士とても仲が良かったので妹・弟は兄達について行って一緒に遊んだりしました。特別仲が良かったわけではありませんが、10年以上の付き合いでした。
中学を卒業してからは全く関わりが無くなりましたが、ゲームが好きなS君は変わらずゲームをやっていて、優しく穏やかな性格だから友達と仲良く過ごしているのだろう、そう思っていました。

先日そのS君が亡くなりました。
お通夜に参列し、眠っているようなS君を見てもまだ信じられません。
小さい頃の記憶がどんどん頭に浮かんできます。人が亡くなることがこんなにも悲しいことなのか、気持ちの整理がまだつきません。
川での不慮の事故でした。もう誰にも川遊びなんてしないでほしい。成人式でみんなとあえることを何の疑いもなく思っていたのに。
S君はなぜこんなに私が悲しんでいるのか疑問に思っているかもしれません。特別な付き合いがなくても、私が一番長い付き合いだからね。いつ、どんな理由で一生会えなくなるか分からないことを身をもって感じました。

これを読むあなたは何歳ですか?たとえ何歳であっても友達にたくさん会ってください。会わなかった後悔はしても、会った後悔はないはずです。
人は生まれたからには死ぬことだけは保証されています。いついなくなるかなんて、誰にも分かりません。今のうちにたくさんの人と会って過去を懐かしんでください。別れる時、思い出がたくさんあると辛いですが、会わないでいたことよりはマシです。絶対に会ってくださいね。
同級生のために喪服なんて着たくなかったな。

悲しい話でごめんなさい。
これからは前を向きます。

【筆名:にしき。 年齢:20歳 都道府県:埼玉】